病院の機能
災害拠点病院
阪神・淡路大震災を契機に、災害時に多発する重篤救急患者の救命医療を行うための拠点施設として知事が指定した病院で、県内では16病院が指定されています。
24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者等の受け入れ及び搬出を行います。
また、災害派遣医療チーム(DMAT)を保有し、東日本大震災はじめいくつかの災害に出動しました。
DMAT(災害派遣医療チーム)と災害医療担当部門
新発田病院DMAT
1995年1月17日、戦中・戦後を通じて最大の自然災害である「阪神・淡路大震災」が起こりました。この大災害に際し、初期医療における初動体制の遅れが指摘され、平時の救急医療レベルが提供されていれば救命できたと考えられる「避けられた災害死」が約500名存在したと報告されています。
概 要
1995年(平成7年)1月17日 午前5時46分 マグニチュード7.2
全壊家屋:104,906棟 被災家屋:512,882棟
死者・行方不明者:6,425名 負傷者:43,772名
この大震災を契機に災害医療に関する多くの課題が浮き彫りとなり、この教訓を生かして、「医師は各行政機関、消防、警察、自衛隊と連携しながら救助活動と並行して現場で医療を行う必要性がある」と認識されるようになりました。
“一人でも多くの命を助けよう”
これを受けて厚生労働省は、災害医療派遣チーム、日本DMATを2005(平成17)年4月に立ち上げました。新発田病院では2008(平成20)年より隊員養成講習を受講しており2021年4月現在で22名の隊員が所属しています。 また阪神・淡路大震災と同年に起きた地下鉄サリン事件を含め、多数被災者への支援に対応すべく、国は1996(平成8)年に災害拠点病院の整備に着手し、新発田病院も同年その指定を受けています。
参 考
DMATとは「災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとってDMATと呼ばれています。医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職もしくは事務職員)で構成され、大規模災害や多数傷病者が発生した現場で急性期(概ね48時間以内)に活動できる機動性を有した専門的訓練を受けた医療チームです。
新発田DMAT派遣
2011年3月 東日本大震災 DMAT派遣
- 岩手県大船渡病院支援
- 新潟県DMAT調整本部運営
- 福島県南相馬病院入院患者搬送支援
2016年4月 熊本地震 医療救護班派遣
- 上益城郡調整本部
- 山都町保健所支援
2019年6月 山形県沖地震 DMAT活動
- 当院における活動拠点本部運営
2020年4月 新型コロナウイルス患者受入調整センター DMAT派遣
- 新潟県医療調整本部における新型コロナウイルス患者受入調整
2020年7月 令和2年7月豪雨 DMATロジスティクスチーム派遣
- 人吉・球磨医療調整本部運営
2020年11月 新型コロナウイルスクラスター DMAT派遣
- クラスター施設における搬送支援
写真 1 福島医大にて活動中の新発田DMAT 写真 2 南相馬病院患者搬送支援後の集合写真
災害時医療訓練企画チームと災害訓練の履歴
2002年 国の災害医療教育コースに当院から医師、看護師、薬剤師等が参加し、阪神・淡路大震災の教訓やトリアージ訓練を学んで帰りました。
以降、毎年院内各部署での訓練に加え、消防や自治体と合同で災害訓練をしています。
第1回 2003年11月26日 旧病院講堂 |
ロールプレイ型の訓練 トリアージのみの訓練 看護学校の参加 |
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第2回 2004年11月27日 病院外来 |
検査部・放射線部の参加 エリアと動線の確定 |
第3回 2005年11月5日 病院外来 |
消防・救急の参加(フィールドトリアージ) 臨床研修医の参加と教育 |
第4回 2006年9月9日 村上病院訓練に参加 |
地域病院との連携 消防との連携とMC(メディカルコントロール) リハビリ学校生を模擬患者に村上消防と村上保健所合同訓練 |
第5回 2007年10月27日 新発田病院前 |
病院、救急隊、保健所、DMAT、市の合同訓練 新潟県災害時コーディネーターの参加 救命救急センターとして、災害拠点病院として地域の基幹病院であることの意識付け |
第6回 2008年10月5日 新発田病院外来 |
実働訓練による動線と初期対応の確認 新発田市長の参加 地域一丸となって訓練 指揮官と顔の見える関係の構築 |
2010年以後の訓練・活動年表
2010.05 | 新発田広域消防・新発田病院合同緊急災害時支援訓練参加(新発田市) |
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2010.09 | 新潟県魚沼3病院合同災害訓練参加(魚沼市) |
2010.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(福島県二本松市) |
2010.10 | 新潟空港防災訓練参加(新潟市) |
2011.03 | 東日本大震災における県立大船渡病院支援、新潟県災害対策本部運営、南相馬市民病院 |
広域搬送支援 | |
2011.09 | 新潟県総合防災訓練参加(胎内市) |
2011.09 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(埼玉県入間市、新潟市) |
2011.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(秋田県由利本荘市) |
2012.09 | 新潟県総合防災訓練参加(聖籠町) |
2012.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(当院会場)および院内多数傷病者受入訓練(合同開催) |
2012.10 | 新潟空港消火救難・救急医療総合訓練参加(新潟市) |
2013.02 | NBC・テロ災害対策研修参加(東京都立川市) |
2013.08 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(愛知県岡崎市、蒲郡市) |
2013.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(宮城県仙台市) |
2014.01 | 新発田地域災害メディカルコーディネーター連絡会議講演(新発田市) |
2014.08 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(新潟市) |
2014.09 | 御岳山噴火における院内待機 |
2014.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(青森県八戸市) |
2014.12 | NBC・テロ災害対策研修参加(茨城県つくば市) |
2015.02 | 日本DMAT連絡協議会参加(東京立川市) |
2015.03 | 全国災害医療コーディネーター研修参加(東京都文京区) |
2015.07 | 新潟消防局高度救急救助合同訓練参加(新潟市) |
2015.09 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(東京都板橋区) |
2015.09 | 災害医療コーディネーター研修参加(新潟市) |
2015.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(岩手県花巻市) |
2015.12 | 新潟県災害医療講習会参加(新発田市) |
2016.01 | 自衛隊航空機実機研修参加(東京都立川市) |
2016.04 | 熊本地震における医療救護班派遣(熊本県上益城郡山都町) |
2016.07 | 新潟消防局高度救急救助合同訓練参加(新潟市) |
2016.07 | 熊本地震新潟県医療救護班活動報告会参加(新潟市) |
2016.08 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(愛知県小牧市、東海市、豊明市) |
2016.09 | 新潟空港消火救難・救急医療総合訓練参加(新潟市) |
2016.09 | 海上自衛隊全国防災フェスタ参加(聖籠町) |
2016.09 | 新潟県総合防災訓練参加(新潟市) |
2016.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(山形県山形市) |
2016.10 | 全国総合災害医療コーディネーター研修参加(東京都文京区) |
2016.11 | 災害医療従事者基礎研修参加(東京都立川市) |
2016.11 | 原子力協会原子力災害指導者講習参加(東京都板橋区) |
2017.06 | 新潟空港SCU実働訓練参加(新潟市) |
2017.07 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(新潟市、大阪府豊中市) |
2017.07 | 新潟消防局高度救急救助合同訓練参加(新潟市) |
2017.09 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(福島県石川郡玉川村) |
2018.07 | 新潟空港SCU実働訓練参加(新潟市) |
2018.08 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(大分県) |
2018.08 | 新潟消防局高度救急救助合同訓練(新潟市) |
2018.09 | 新潟港テロ対策合同訓練参加(新潟市) |
2018.09 | 新潟空港消火救難・救急医療総合訓練参加(新潟市) |
2018.10 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(秋田県由利本荘市) |
2019.02 | 北海道胆振東部地震における出動待機 |
2019.06 | 山形県沖地震における災害拠点本部運営 |
2019.07 | 新潟空港消火救難・救急医療総合防災訓練参加(新潟市) |
2019.09 | 大規模地震時医療搬送訓練参加(埼玉県さいたま市) |
2019.10 | 台風19号における出動待機 |
2019.11 | 東北ブロックDMAT参集訓練参加(当院会場)および院内多数傷病者受入訓練(合同開催) |
2020.04 | 新潟県医療調整本部患者受入調整センターへの派遣開始(新潟県庁) |
2020.07 | 令和2年7月豪雨におけるロジスティクスチーム活動(熊本県人吉・球磨医療調整本部) |
2020.10 | 新発田市綜合防災訓練参加(新発田市) |
2020.11 | NBC・テロ対策研修参加(茨城県つくば市) |
2020.11 | 関東管区広域緊急援助隊合同訓練参加(新発田市) |
2020.11 | 新型コロナウイルスクラスターにおける搬送支援(新潟市) |
写真3 新発田消防との合同訓練。トリアージの模擬診療。
写真 4 2012年新潟県合同災害訓練(聖籠町、新潟東港)
新発田病院災害対応の組織
災害時医療BCP委員会代表 熊谷 雄一 副委員長
DMAT隊員(2021年現在) | |||
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医 師 | 木下 秀則 | 救急科 | 統括DMAT |
熊谷 雄一 | 麻酔科 | 統括DMAT | |
相場 豊隆 | 脳神経外科 | 日本DMAT | |
中川 範人 | 放射線科 | 日本DMAT | |
長谷川 聡 | 小児科 | 統括DMAT | |
佐藤 剛 | 整形外科 | 統括DMAT | |
関口 博史 | 救急科 | 統括DMAT | |
看護師 | 小野 義夫 | 看護師 | 日本DMAT |
高澤 健志 | 看護師 | 日本DMAT | |
長谷川 義典 | 看護師 | 日本DMAT | |
山田 麻耶 | 看護師 | 日本DMAT | |
秋山 公子 | 看護師 | 日本DMAT | |
桑野 奈津子 | 看護師 | 日本DMAT | |
渡辺 美香 | 看護師 | 新潟DMAT | |
小池 直人 | 看護師 | 日本DMAT | |
山口 仁 | 看護師 | 日本DMAT | |
岩村 智之 | 看護師 | 新潟DMAT | |
菅 慎矢 | 看護師 | 日本DMAT | |
業務調整員 | 永沼 佳納 | 歯科医師 | 新潟DMAT |
相波 岳 | 理学療法士 | 日本DMAT | |
岡崎 英輔 | 臨床工学技士 | 日本DMAT | |
渡邊 翔 | 薬剤師 | 日本DMAT |